コロナ用ワクチンについて調べてみた~現状から今後の動向まで~

新型コロナウイルスのワクチンができれば世界は救われるかもしれないと思っている人も多いでしょう。

世界中の人々がワクチンを接種すれば感染拡大も収まり、また平和な日々が戻ってくるのではないかという考えが広まっています。

インフルエンザワクチンのように一筋縄ではいかずに開発に苦労している様子は初期から見られました。

新型コロナウイルスが世界を脅かし始めてから1年になる現在では、どのような開発状況になっているのでしょうか。

コロナワクチンの現状

新型コロナウイルス(COVID-19)ワクチンは世界中の大手製薬企業で開発が進められています

ワクチンの候補となった物質は100種類を超えています。

国内でもアンジェス、塩野義、第一三共などで政府の支援を受けながら開発を進めていますが、まだ開発が完了して承認されるまでには長い年月がかかるでしょう。

イギリスではアメリカの大手製薬企業であるファイザーと、ドイツのバイオテクノロジー企業であるビオンテックが開発した新型コロナウイルスのワクチンの接種が日本時間の12月8日午後に開始されています。

世界的にはもうワクチンを使用する段階に入っているのです。

日本では厚生労働省が2021年前半の接種開始を目指す見解を発表しています。

【日本国内の動向】
米国のファイザーとモデルナ、イギリスのアストラゼネカとの間で、新型コロナウイルスのワクチンの開発に成功した場合に供給を受ける契約を締結しました。

ファイザーからは来年6月末までに6000万人分、モデルナからは来年6月末までに2000万人分、来年9月までにさらに500万人分を得る予定です。

アストラゼネカからは来年3月末までに1500万人分の調達を計画しています。

 

直近の計画ではアストラゼネカにワクチンの原液の送付を受けて、第一三共バイオテック、KMバイオロジクスとMeiji Seikaファルマが供給していきます。

このまま開発と製造が進めば、日本でもワクチンを接種できる日は決して遠くはないのです。

そもそもワクチンとは?

ここでワクチンとは何かを一度確認しておきましょう。

ワクチンとは一般的に感染症予防に用いられていて、予防的に接種することで人の免疫系に働きかけ、抗体を作り特定の病原体に対する抵抗力を高めるのが特徴です。

また、ワクチンには、

  1. 生ワクチン
  2. 不活化ワクチン
  3. 遺伝子組み換えワクチン

 

といった3つの種類があります。

1.生ワクチン
生ワクチンは免疫原性を残しながら、病原性を抑えた病原体を使用しているワクチンです。実際に病原体が体内に入った状態に最も近い点が優れています。

2.不活化ワクチン
不活化ワクチンは病原性を無くした病原体の一部を使用しているワクチンです。

生ワクチンに比べて安全性が高い代わりに免疫原性が低く、免疫原性を高めるためのアジュバントと呼ばれる物質を添加するのが一般的です。

不活化ワクチンの例として、インフルエンザワクチンがあげられます。

3.遺伝子組み換えワクチン
遺伝子組み換えワクチンは、目的とする病原体の抗原を発現する遺伝情報を、DNAまたはmRNAとして持つワクチンを使用する方法です。

特定の抗原が体内に入るのは他のワクチンと同じなので、抗原抗体反応が起こり免疫が誘導されます。

新型コロナウイルスワクチンではこの方法で作成が試みられていて、スパイクタンパク質などの特徴的な部分の遺伝情報をmRNAで投与することをファイザー、モデルナが計画しています。

ただし、現在までにmRNAワクチンの承認例はありません

製薬各社のコロナワクチン開発状況

コロナワクチンの開発は精力的に進められていますが、日本に供給予定の2社(ファイザー、モデルナ)での開発はどのような段階にあるのでしょうか。

来年から使えるようになるのなら、有効性や副反応情報を知りたいという人も多いでしょう。

ここでは開発段階やワクチンの安定性、有効性や副作用について紹介します。

ファイザー

ファイザーでは既に臨床試験に進んでいる医薬品候補があります。

その臨床試験データからは「2回接種後に95%の高い有効性を確認した」と評価しています。

安定性についても-60度から-80度であれば最大半年間、2度から8度では5日間保存が可能です。

臨床データでは重大な副反応はなく、頻度が2%を超えるグレード3の有害事象は3.8%の倦怠感と2.0%の頭痛のみと発表しています。

しかし、英国で接種を始めたmRNAワクチンでは激しいアレルギー反応である、アナフィラキシーが発症したという報告があり、まだ安全性に懸念がある状況です。

モデルナ

モデルナでも臨床試験が進行している候補があり、94.5%の有効性があるという暫定的な結果を発表しています。

安定性については-20度で最大半年間、2度から8度では30日間保存が可能です。

臨床データでは重大な副反応は見られていません。

1回目の投与後
2%以上のグレード3(重度)のイベントには注射部位の痛み(2.7%)

2回目の投与後
倦怠感(9.7%)、筋肉痛(8.9%)、関節痛(5.2%)、頭痛(4.5%)、痛み(4.1%)、注射部位の紅斑/発赤(2.0%)

深刻なリスクについて報告はないものの、ファイザーのイギリスにおける事例もあることから慎重に使用する必要があると考えられるでしょう。

日本でコロナワクチンを受けるには

日本で本格的にコロナワクチンを利用できるようになった際の計画も、着々と立てられています。

現行の計画では来年の前半までには国民の希望者全員に無料で接種できるようにし、費用は国費で負担する予定です。

順序としては以下のような人たちを優先し、その後に一般の希望者へと拡大していく計画です。

  • 重症化リスクが高い高齢者
  • 基礎疾患患者
  • 医療従事者

 

各市町村が接種の運営を担当し、医療機関などの協力を受けて実施する予定になっています。

ワクチンの料金

コロナワクチンの接種にかかる費用は確定していませんが、参考になる基準値があります。

ファイザーとビオンテックが開発しているコロナワクチンについて、米国政府は1億回分を約20億ドルで調達する契約を締結しました。

1回分を19.5ドルと定めているため、日本円では約2,070円になると考えられます。

ただ、これらのコロナワクチンは2回接種によって有効性が認められているため、実際には2倍の39ドル(約4,100円)です。

インフルエンザの予防接種は1回あたり平均して3,000~4,000円ということを考えると妥当な料金と言えるでしょう。

接種券(クーポン券)配布予定

新型コロナウイルスワクチンの流通体制について、厚生労働省は円滑化のために接種券(クーポン券)を配布する計画を立てています。

原則として住民票のある市町村で接種を受ける仕組みとする方針で、希望者は市町村から委託を受けた医療機関か市町村が用意する公民館や検診センターなどで接種することが可能になる予定です。

殺到を避けるために接種を受けるためのクーポン券を住民票記載の住所に順次送付し、受け取った人から医療機関に連絡して予約をするという流れを想定しています。

送られてきたクーポン券を持参すれば、2回のコロナワクチンの接種を無料で受けることができることになります。

まとめ

新型コロナウイルスの脅威を収束に導くため、感染を防ぐためのワクチンに大きな期待が寄せられています。

イギリスでは既に利用が始まり、日本でも2021年前半の接種開始に向けて厚生労働省と製薬企業を中心とした取り組みが進められています

世界的には開発もまだ継続されている状況で、今後も新ワクチンが登場すると期待できます。

それまでの感染を防ぐためにも、日常的に感染予防に取り組み定期的な空間の除菌も行って、安心して暮らせる環境を作りましょう。