【画像付き】ChilloutMix完全ガイド!使い方・注意点・画像生成AIを徹底解説
昨今、画像生成AIが話題を集めていますが、リアルな女性を生成し人々の注目を集めているのがChilloutMixです。
あまりにリアルで、そして美しい女性をAIが生成する様に衝撃を受けた人も多いはず。TwitterのトレンドではAIコスプレイヤーやChilloutMixがトレンド入りしています。
そして、実際にChilloutMixを使ってみたい!という人も多いでしょう。
そこで今回は、ChilloutMixを初めて使う方向けに、ChilloutMixの設定方法や使い方、注意点などを総解説します。
- ChilloutMixとは何か知りたい
- ChilloutMixの使い方を知りたい
- とりあえずChilloutMixを使ってみたい
- AIコスプレイヤーや美少女写真を生成してみたい
※ご注意※
本記事は2023年3月現在の情報になります。このあとご紹介するStable DiffusionやChilloutMixの情報が更新される可能性がありますので、ご利用される際は最新の情報をご確認ください。
ChilloutMix(チルアウトミックス)とは
ChilloutMix(チルアウトミックス)の概要やできること、開発者についてご紹介します。
ChilloutMixの概要
画像生成AIは、ユーザーがテキストなどで指示を入力するとAIが自動的にイラストや画像を生成します。近年この技術が飛躍的に進化し、「GAN(Generative Adversarial Network)」と呼ばれる敵対的生成ネットワークが開発され、精度が大幅に向上し世界的に注目を集めています。画像生成AIに関連するアプリやサービスについてはいくつか有名なものがあります。
たとえば、最近最もホットなところでいけば画像制作ツール「Canva」のAI画像生成アプリ(マジックと呼ばれます)では、生成された画像をフリー画像と同じように自由に編集でき、高品質にダウンロードすることができます。
また、「Midjourney」はフォトリアリスティックな画像や絵画的な画像の生成が得意な有料サービスで、自前のツールはもちろん、Discord上で動作するbotアプリとしても提供されています。
さらに、2022年にStability AIにより発表された「Stable Diffusion」も画像生成AIとして注目を集め、多くのユーザーが利用しています。Stable Diffusioはオープンソース(GitHubで公開されています)ですので、設定すればどなたでも使用できます。
つまり、ChilloutMixはStable Diffusion上で使用する学習済みデータで、アジア系女性の画像を生成したいときにおすすめの「モデル」となります。
一方で、権利関係の問題については、ChilloutMixがCivitaiというプラットフォームから一時的に消えたことがありました。生成に使用している画像の学習データを含めた「モデル」に色々と権利上の問題があるのでは?という議題が出てきた、ということです。
しかし、その後ChilloutMixは復活し、モデル製作者からCivitaiに権利が移行されたことがCivitAIのページに記載されています。
◆参考:https://civitai.com/models/6424/chilloutmix
ChilloutMix(チルアウトミックス)でできること
AIによる画像生成は、原則、文字列でどのような画像を生成するか指示を出します。この文字列をプロンプトと呼びますが、日本では呪文とも呼びます。
このプロンプトを適切に書いたり、細かい調整ができれば理想的な画像を生成できますが、これがなかなか難しく苦労するケースが多いのです。
上記は筆者がとある画像生成AIで生成した画像ですが、プロンプトの指示に失敗し、失敗画像ができてしまったというものです。
しかし、ChilloutMixモデルを利用すれば、簡単に、精工な、リアルな女性の画像を生成できます。
初めてStable Diffusionを使用する方こそ、ChilloutMixを利用してみてください。
ChilloutMix(チルアウトミックス)の開発者
ChilloutMixを開発したのはTwitterネーム:TASUKU2023(@TASUKU2023)さんです。Twitterのプロフィールによると、グラフィックデザイナーのお仕事をされていらっしゃいます。
また、TwitterでChilloutMixで生成された画像を多数投稿されておりますので、ぜひ一度ご覧ください。「こ、この画像はAIで作られたの?!」と驚くような画像ばかりですよ。
また、プロンプト開発に携わったり、「AIの活用方法を幅広く探るためのDiscordサーバー」も開設されています。
ChilloutMix(チルアウトミックス)の導入方法
それでは、ChilloutMixの導入方法をご紹介します。
大前提として、ChilloutMixはStable Diffusionで使用しますので、Stable Diffusionを使える環境が必要です。
Stable Diffusionはご自身のパソコンのローカル環境で使用する場合と、Stable Diffusion web UIのようなブラウザ上で使えるサービス等を利用する場合と、大きく2つの利用方法があります。
今回は初心者の方が始めやすい「Stable Diffusion web UI」を「Google Colab」で使う方法でご紹介します。
以降は、ファイルをGoogle Colabにアップロードし、クリックしていくだけでChilloutMixが使える方法です。
※所用時間:5~10分程度
※筆者でもできました
1.ファイルをダウンロードする
まず、以下のGitHubから「sd-1click-colab」のファイルをダウンロードし、展開しておきます。
◆nolanaatama/sd-1click-colabのURL:https://github.com/nolanaatama/sd-1click-colab
2.Colabにログインし、アップロードする
Google Colabに任意のGoogleアカウントでログインし、先ほどダウンロードしたファイルから「ChilloutMix」のファイルを「アップロード」します。
◆Google ColabのURL:https://colab.research.google.com
Google Colabは、ブラウザ上でPythonコードを実行できるサービスです。ColabはCPUとGPUのコンピューティングリソースへのアクセスを無料で提供しており、有料オプションもあります。
アップロードするとこのような画面になるので、動画の再生ボタンのような「三角形のボタン」を「クリック」しましょう。
3.URLを開く
ボタンをクリック後、数分程度待つとこのような画面になります。
画像にあるようなURLを開くとStable Diffusionが使えるようになります。
URLを開くとこのような画面になります。
以上で導入は完了です。
なお、詳しい使い方はファイルの制作者であるNolan AatamaさんのYouTubeチャンネルでも紹介されていますので、チェックしてみてください。
4.次回以降はGoogle Driveから開く
次回以降にGoogle ColabでChilloutMixを開く場合は、「Google Drive」から「chilloutmix.ipynb」を「アプリで開く」→「Google Colaboratory」で開けます。
Google Driveから開くとこのような画面になりますので、(左上にある再生ボタンのような)ボタンをクリックし、URLを開いていきます。この操作は先ほど行った操作と同様です。
ファイルをアップロードしない方法もあります
なお、ファイルをアップロードしない方法でもChilloutMixの導入が可能です。簡単に説明します。
1.Google Colabにログインする
Google Colabに任意のGoogleアカウントでログインします。
◆Google ColabのURL:https://colab.research.google.com
2.ノートブックを新規作成する
メニューバー等から「ノートブックを新規作成」を開きます。
開くとこのような画面になります。
3.ノートブックの設定を変更する
「編集」→「ノートブックの設定」→「ハードウェア アクセラレータ」を「GPU」に変更し、「保存」をクリックします。
4.インストールとダウンロードを行う
!git clone https://github.com/AUTOMATIC1111/stable-diffusion-webui
%cd /content/stable-diffusion-webui
!wget https://civitai.com/api/download/models/11745 -O /content/stable-diffusion-webui/models/Stable-diffusion/Chilloutmix-Ni-pruned-fp32-fix.safetensors
!python launch.py --share --xformers --enable-insecure-extension-access
上記のコードを貼り付け、動画の再生ボタンのような矢印のボタンをクリックします。
5.URLを開く
数分程度待つと、このような画面になりますので「URL」をクリックすると「Stable Diffusion Web UI」が開きます。
以上で導入は完了です。簡単ですね!
ChilloutMix(チルアウトミックス)の使い方
続いて、本家ChilloutMixの使い方をご紹介していきます。
1.Stable Diffusion WEB UIの起動
最初に、「Stable Diffusion Web UI」を起動します。起動方法は先ほどのとおりです。
2.モデルの設定
次に、「ChilloutMix」をモデルとして選択します。必要に応じて他のモデルも選択できます。
3.プロンプト~パラメータの設定
ここで、画像生成のプロンプトを入力します。つまり、画像の説明を文章で記述します。
プロンプトはこのように書き分けます。
Negative Prompt:生成させたくない、抑制したい内容を書く
また、画像生成のオプションもこのタイミングで設定します。例えば、画像のサイズや詳細度、生成速度などを調整できます。
※その他、一般的な画像生成AIではステップ数やシードの設定等もありますがここでは割愛します。
4.生成&繰り返し
すべての設定が完了したら、いよいよ画像生成を開始します。生成が完了するまでしばらく待ってみましょう。
生成された画像が表示されたら、必要に応じて保存や共有を行ってください。ただ、これは重要なことなのですが、基本的に一発で狙った画像が出てくることはまずありません。
何度も生成して、奇跡の一枚を見つける、という流れが多いかと思います。
なお、こちらの画像は数値はいじらず、筆者のつたないプロンプトを入れただけで生成されたChilloutMixの画像になります。
プロンプトには「head portrait, realistic, a girl, beautiful blue eyes, cool, blond hair blowing in the wind, trees, blue sky」、ネガティブプロンプトには「worst quality」と入れました。
たったこれだけのプロンプトでこの画像ができてしまうとは、恐るべしChilloutMix!
ChilloutMix(チルアウトミックス)で生成された画像を見る方法
ChilloutMixを利用し、AI画像の生成を楽しまれている方が多数いらっしゃいます。(先ほど、筆者が出力した画像とは比べ物にならないほど完成度の高い画像がたくさんあります。)
たとえば、Twitterの「#ChilloutMix」ではたくさんの作品が投稿されています。
また、Twitterに投稿すると削除されてしまうような(セクシーな)画像もChilloutMixでは生成できるとか、できないとか。
Twitterに投稿できないChilloutMixの画像は、PIXIV FANBOXなどで投稿されている制作者さんもいらっしゃるので検索してみてください。
ちなみに、以下のハッシュタグでもAIで生成された様々な投稿されています。
- #Chilled_re_generic
- #stableDiffusion
- #AIコスプレイヤー
- #AIグラビア
- #AIgravure
- #AIArtwork
- #AIArtworks
- #AIart
- #Aicosplay
- #AIphoto
そして、Stable Diffusionのモデルを配布し、画像を発信できるプラットフォーム「CivitAi」にも多数の画像が投稿されています。
◆Civitai:https://civitai.com/
ChilloutMix(チルアウトミックス)のジェネリック
ChilloutMixと同様に、リアルな女性の画像を生成できるモデルもあります。こちらもChilloutMixのジェネリックと呼ばれることもあるほど、精巧で美しい画像を生成できます。
先述の通りChilloutMixが非公開になった経緯があり、ChilloutMixのような美しい生成ができないかということでジェネリックも話題になりました。
MUSE_v1
これは実写風のアジア人女性生成に長けているモデルです。
Stable Diffusionのモデルとして使います。
使い方はChilloutMixと同じです。
◆参考:https://civitai.com/models/13564/musev1
【上級者向け】chilled_re-generic_v2
鎖城郎郭@AI錬成画師(@sazyou_roukaku)さんが発案されたChilled_re_generic。
マージモデル『GenesisLifeMix』の開発者でもいらっしゃいますが、こちらはジェネリックモデルを自作してしまおう、という話です。
基本的には「存在するリアル系モデルの成分を少しづつ秘伝の配合で混ぜて、ChilloutMixっぽいものを作ろう」というのが要旨です。
LoRa
LoRaは追加学習のファイルで、より精巧でこだわった画像生成ができるようになるアイテムです。ChilloutMixでもLoRaを使うユーザーが多い傾向にあります。様々なLoRaが発表されていますので、好みのLoRaをお使いください。
ChilloutMix(チルアウトミックス)を含む画像生成AIの注意点
ChilloutMix(チルアウトミックス)を含む画像生成AIの注意点をご紹介します。
注意点1.著作権等を確認する
どの分野でも、新しい技術が出ると法律や業界ルールの制定が追いつかないことはよくあります。
AIに関する技術の権利関係もまさにルール等が検討されている段階です。
とくに、画像生成AIでは著作権など知的財産権の権利関係に注意すべきです。
著作権を侵害したり、商用利用できない画像を商用利用するとトラブルにつながる恐れもあるため、注意しましょう。
注意点2.最新情報をチェックする
AI技術の急激な成長により、新しい画像生成AIサービスやモデルが続々と登場し、場合によっては公開を中止したり再開するというケースもあります。
また、魅力的なプロンプトも発表されたり、拡張機能も発表されるなど、画像生成に関しては常に最新情報のキャッチアップをおすすめします。
TwitterやDiscordといったSNSで情報をキャッチできますよ。
ChilloutMix(チルアウトミックス)以外の画像生成AI4選
Stable Diffusion以外にも、画像生成ができるAIは複数あります。2023年3月現在で発表されている、主な画像生成AIやをご紹介します。
芸術的や幻想的な画像を生成できたり、アーティスティックな画像を生成できるなど、それぞれに特色がありますので、気になるサービスをぜひ使ってみてください。
Novel AI Diffusion
画像生成AIの一種であり、Stable Diffusionという画像生成AIをベースにしたWebサービスです。
良くも悪くも一般的な画像生成AIの「はしり」で、特定のキーワードや画像を入力することで、AIがそれを元に自動的にイラストを生成します。
なお「img2img」モードでは「落書き・ラフスケッチから指示通りの高度な画像を生成」ということもできますし、プロンプトからの生成は「txt2img」モードで生成されます。
また、元来NovelAIは小説自動生成ツールでもあり、文章を入力することでAIに小説を書かせることができるものでもあります。
ちなみにNovelAI Diffusionは、有料版のみがイラスト生成に対応しているため、利用する場合は有料プランに申し込む必要があります。
Midjourney
Midjourneyは、2022年7月に公表された、一般の人でも使える画像生成AIであり、既存の画像を元に画像を生成することが可能です。
いわゆる先発ツールですね。「画像URL+ワード(文章)+パラメータ」を組み合わせることで、ユーザーが思い浮かべた画像に近づけることができ、さらに実写にも対応していますがそれぞれの画像パーツにはモデルが存在するため、やはり権利関係の話題に事欠かない存在です。
とはいえ、AIに対する捉え方が変わるきっかけとなった点は大きいでしょう。
TrinArt とりんさまアート
小説・創作特化の日本語文章生成AI「AIのべりすと」と同じ開発者が制作したのがこちらのTrinArt。知名度はさほどありませんが、アニメ絵にかけては随一の実力を持ちます。
TrinArtには、「スーパーとりん」、「スーパーでりだ」、「でりだフラット」の3つのモデルがあり、さらに入力したプロンプトに対して出力画像が良い感じになるようにするプロンプトエンハンサー機能も搭載されています。
初心者でかつ、アニメ絵生成をご希望の場合はこちらもおすすめできます。
DALL・E2
2022年4月に発表された、Open AIが開発した画像生成AIです。
なんと120億もの圧倒的なパラメータを持ち、大規模な画像生成モデルでもあります。
まとめ
今回は画像生成AI「ChilloutMix」について解説し、周辺の生成系AIについてもご紹介してきました。AIは今シンギュラリティと呼ばれる技術的な特異点を迎えようとしており、今後もどんどん新しい情報が入ってくると予想されます。
情報のキャッチアップを怠らないようにしておきたいところですね。
参考記事
本記事の執筆にあたり、以下の記事を参考にしました。
以下の記事もぜひご覧ください。
AI天使さんのnote:商用利用可能なChilloutMixのジェネリックAIモデルの紹介と作り方を解説
オリジナルゲーム.com:【Stable Diffusion】ChilloutMixの使い方(Google Colab)
NRIdigital:画像生成AIの技術紹介とAI生成画像の判別モデル
ITmedia:大ウケした「Midjourney」と炎上した「mimic」の大きな違い “イラスト生成AI”はどこに向かう?