大好きなプールは要注意!夏に子供がかかりやすい感染症

6月に入ると、学校や幼稚園・保育園ではプールが始まります。

子供たちは大好きなプールに毎日でも入りたいと張り切っているでしょうが、

気をつけたいのが、「ヘルパンギーナ」や「手足口病」などの感染症です。

なぜ子供はプールで感染症にかかりやすいの?

プールで感染しやすいと言っても、プールの水は塩素で消毒されているので水自体が感染経路になることは考えにくいでしょう。

ただプールでは、肌を露出した子供同士がじゃれ合うことも多いですし、

同じビート板を使ったり、タオルの貸し借りをすることもあるかもしれません。

また、体力の消耗温度差などで免疫力が下がってしまうことも影響します。

このようにプールは感染が広がりやすく、発症しやすい環境にあるということなのです。

 

それでは、実際にどのような感染症があり、どのような対処が必要なのでしょうか?

子どもがプールでかかりやすい感染症【夏風邪】

“発熱やのどの痛み”といった夏風邪といわれる症状が出る主な感染症には次の4つがあります。

手足口病、ヘルパンギーナ、咽頭結膜炎(プール熱)、溶連菌感染症

手足口病

その名の通り、手のひらや足の甲や裏、口の中に小さな発疹ができるのが特徴です。

軽い症状で治ることがほとんどですが37~38℃の発熱症状が出る場合や、下痢や嘔吐を伴うケースがあり、ウィルスの種類によってはまれに重症化することがあります。

手足の水ぶくれは痛がりませんが、口の中は痛くて物が食べられなくなることがあります。

水泡から直接感染する場合があるので、水泡には触れないようにしてください。

手足口病の原因となるウイルスは1種類ではないため、一度かかっても、別の種類のウイルスが原因となって、再び手足口病になることがあります。

便の中にウィルスが排泄される期間が長く、症状がなくなったあとも、2~4週間程は感染源となる可能性がありますので注意しましょう。

治療をしなくても自然に治る場合がほとんどですが、熱や口の中の痛みがある時はその薬を処方します。

ヘルパンギーナ

ウィルスの感染によっておこる病気で、38~40℃の熱が2~3日続きます。
のどの奥に小さな水ぶくれができ、それがつぶれると痛みが強くなります。

痛みで食事がとれず、ひどい場合には水分も嫌がることがありますが、冷たくて喉ごしの良いものや、経口補水液などを与えて脱水症状を起こさないようにしましょう。

原因となるウィルスが数種類あるので、何度も感染してしまう場合もあります。

熱やのどの痛みを抑える薬が処方され、のどの痛みも1週間ほどで治まります。

ヘルパンギーナを起こすウィルスも感染者の便の中に1~4週間排泄されます。

主に乳幼児の間で流行する感染症ですが、大人が感染すると重い症状が続くこともあるので、二次感染に注意してください。

咽頭結膜熱(プール熱)

咽頭結膜熱はプールで感染することが多いので、プール熱と呼ばれている病気です。

病気の元である「アデノウイルス」が唾液や便を通じて感染します。

症状は、38~40℃の高熱と強いのどの痛み。その後、目の充血や目やにといった結膜炎症状が現れます。さらに、頭痛、リンパ腺の腫れ、嘔吐や下痢をともなうこともあります。

熱やのどの痛みを抑える薬が処方され、結膜炎が強い場合は眼科の治療をうけることになるでしょう。

咽頭痛は3~5日、発熱は3~7日間程度続きます。

プール熱は感染力がとても強いので、この病気にかかった場合は、保育園や学校を休まなくてはいけません。症状がなくなった後、2日を経過するまでは出席停止となっています。

もちろんプールに入らなくてもうつりますし、夏以外にも見られます。

溶連菌感染症

溶連菌感染症は「溶血性連鎖球菌」と呼ばれる細菌に感染することで起こる病気です。

頭痛や発熱、のどの痛み、吐き気など風邪のような初期症状があり、その後、舌の表面に赤い発疹ができて、のどや口の中が赤く腫れてきます。

また発症後、かゆみをともなう発疹が全身に現れます。

治療は、抗生物質を使用しての溶連菌の殺菌。

抗生物質は服用する期間が決まっていて、どの種類でも10日前後は確実に服用する必要があります。

症状がよくなったからと、自己判断で薬を飲むことをやめてしまうと、症状が再発をしたり、糸球体腎炎やリウマチ熱などの合併症を起こすリスクを高めてしまうことになります。

処方された薬は医師の指示に従い、必ず飲み切るようにしましょう。

発疹によるかゆみには、塗り薬タイプの抗ヒスタミン薬が処方されることがあります。

溶連菌感染症では、腎障害の合併症を起こす場合があるので、症状が改善したあと尿検査を行う医療機関もあるようです。

大人も感染するので注意してください。

感染症にかからないために

風邪のような症状を引き起こす感染症の他にも、

伝染性軟属腫(水いぼ)伝染性膿痂疹(とびひ)流行性結膜炎アタマジラミ など、

皮膚や目などのかゆみをひこ起こすものもあります。

 

このような感染症にかからないために、夏でも手洗いうがいをしっかりと行いましょう。

トイレの後の手洗いも念入りに。

また、プールなどで友達とタオルの貸し借りはしないこと。

栄養睡眠をしっかりとって、免疫力を低下させないことも大事です。

 

十分に健康管理を行って、楽しくプールで遊びましょう!