国産AIライティング「Catchy」とは?使い勝手~GPT-3との関係性も解説します
最近のAI技術の革新は、まさにシンギュラリティ、あるいはビッグバンといって良いでしょう。
日毎に新しい情報やツールが続々とリリースされるなか、特にデジタルレシピ社がリリースしている『Catchy』は日本国内のビジネスシーンから特に歓迎されるべき国産AIライティングツールです。
これはGPT-3をベースにした日本語特化のファインチューニングを行っているツールであり、日本語により特化しているものといえます。
そこで今回の記事ではCatchyの概要や特徴、使い方、そしてGPT-3との関係性についても解説しています。
また、Catchyの利点や欠点、そして他の文章生成系AIツールについても紹介していますので御覧ください。
AIライティングツール『Catchy』とは?
CatchyはAI技術を用いたライティングツールです。
結論から言えば簡単かつ迅速に高品質の文章を作成できるようになります。
Catchyの機能には、文章の自動生成、言語の自動翻訳、文法チェックなどなど・・・このあとご紹介するように様々なものがありますので、仕事の効率化という部分ではライター業を除き、ほぼ全業種で効率化が可能です。
※ライター業については知り合いのプロ業者さんに確認してみたところ「AI生成の記事については、日本語に限って言えばまだまだ人間のプロライターも負けちゃいない。むしろライターがAI記事を手直しするという案件がすでに入ってきている」とのことでした。
Catchyの概要と特徴
Catchyの概要を以下にご紹介します。
- 高度なAI技術を使用して、正確かつ自然な文章を生成可能
- (ベースとなるAIのGpt-3が)多言語に対応しており、翻訳作業も簡単
- 校正機能があり、作成した文章を修正orリライトor拡縮可能
こうした特徴により、Catchyは、ビジネスからアカデミック、クリエイティブなど、あらゆる業務領域に適したライティングツールとなっています。
Catchyの使い方と価格
Catchyの使い方は非常に簡単です。
Catchyのサイトにアクセス&ログインし、文章を入力するだけ。
その後、Catchyは自動的に文章を生成し、出力を行います。
なおCatchyには、プランによって異なる価格設定があります。基本プランは無料で、基本的な機能にアクセスできます。
より高度な機能を利用する場合は、有料プランを選択することができます。
キャッチー(Catchy)のログインはすごく簡単です。
GoogleもしくはFacebook経由でログインできます。
無料のクレジットも用意されているのでキャッチー(Catchy)の導入前に使用感を試すこともできます。
Catchyのベースとなる「GPT-3」とは?
「GPT-3」とは、OpenAIが開発した自然言語処理に優れた言語モデルの一つです。
GPT-3は、最新の自然言語処理技術を用いており驚異的な性能を持ちます。
Catchyは、このGPT-3をベースにしています。
GPT-3の基本的な特徴と機能
GPT-3は膨大なパラメータを持つ言語モデルで、自然言語処理の分野で最も優れた技術の一つとされています。
GPT-3は「この文章に続く文字列は恐らくこれ」という推論を重ねることで対話型AIのように振る舞えるわけですが、これが高じて現在では文章生成、文章分類、文章要約、翻訳などのタスクにおいて、高い精度を発揮してくれます。
また、GPT-3は、多言語に対応しているため、世界中の多くの言語に対応することもできます。(日本語ももともとはこの枠組の中にあります)
GPT-3がもたらす可能性と課題
GPT-3は、多くの可能性を秘めています。
例えば、GPT-3を用いることで、自動翻訳や自動要約の精度が向上することが期待されています。
また、文章生成においても、人間に近い文章を生成することが可能となります。
しかし、GPT-3には課題もあります。
例えば、GPT-3が生成した文章が偏っていたり、誤った情報を含んでいる場合が(ハルシネーションといいます)あることや、GPT-3が不適切な表現を用いる場合があることが知られています。そのため、GPT-3を利用する際には、注意が必要です。
参考までにAIで作成した記事をご紹介します。
Catchyで行われている「ファインチューニング」とは?
Catchyでは、AIが日本語の文章を生成するために、大量のデータセットを用いて学習を行っています。
しかし、そのまま学習させただけでは、どうしても不自然な文章ができてしまうことがあります。
特に日本語の場合は独特な言い回し等々も考慮すべきでしょう。
そこでCatchyは、AIがより自然な文章を生成できるよう、特定の用途に合わせて微調整する「ファインチューニング」という作業を行っています。
この作業により、AIがより適切な表現や言い回しを学び、より自然な文章を生成できるようになります。
日本語特化のファインチューニングの概要
Catchyのファインチューニングは、日本語に特化したものです。
まず、AIが生成する文章の用途や目的に合わせて、適切なデータセットを用意します。
次に、そのデータセットを使ってAIを学習させます。ここで、適切なパラメーターの設定や、不要な情報の削除など、学習に必要な調整を行います。そして、学習が終わった後には、人間が文章の校正や編集を行い、より自然な文章を作り上げます。
AIライティングツールCatchyの使い方
Catchyは、文章作成を効率化するためのツールです。
アカウントを登録することで、多彩な機能を利用することができます。
例えば、Catchyは自動でキャッチコピーを作成することができます。これにより、商品やサービスの魅力を的確に伝えることができます。また、用意されたテンプレートを利用することで、手軽にレポートやプレゼン資料を作成することも「お茶の子さいさい」。
ちなみにCatchyには無料プランも用意されています。
しかし、無料プランでは月間あたり数回しか文章を出力できないため、より多くの文章を作成する場合は、というか実務利用は無制限またはクレジット従量課金の有料プランが必要です。
Catchyの利点と留意事項まとめ
Catchyは大変便利なツールです。
ここではCatchyのメリットと、また使う際に留意すべきポイントについて詳しく説明します。
Catchyを使うメリット
Catchyを使うことで、以下のようなメリットがあります。
- 圧倒的な効率化
- AIツールにしてはシンプルで使いやすい
- コア業務に割くべき時間を生み出せる
Catchyを使う際に留意すべきポイント
またCatchyを使う際には、以下の点に留意する必要があります。
- プランによっては、利用できる機能が異なることがある
- Catchyの提供する出力内容は、ともすれば他のユーザーにも提供されている可能性がある
- すべての出力がビジネスに適しているわけではない(つまり要手直しが前提)
Catchyを使ってできること
Catchyを使って、以下のような様々なことができます。
基本的に100を超える用途が用意されていますが、ここでは代表的なものをご紹介してみます。
キャッチコピーの作成
キャッチコピーを簡単に作成することができます。
例えば、商品やサービスの特徴を簡潔に伝えることができますので広告コピーのたたき台にすることもできるでしょう。
SEOブログ制作
SEOに最適化されたブログを簡単に制作することができます。
例えば、検索エンジンでの上位表示を狙った記事を作成することができますが、これはあくまでもベースになる程度であり、実際にはまだまだSEO屋さんやプロライターの知見・技術が必要です。(特に日本語ブログについてはこの傾向が顕著です)
画像生成AIへの指示文作成(プロンプト生成)
画像生成AIへの指示文を簡単に作成することができます。
例えば、最近流行りの画像生成AI(Midjourneyなど)へのイラスト描画指示をAIに与えるためのプロンプトを生成することができます。
アイデア出し全般
やはりアイデア出しを効率的に行うことができるのはAIの醍醐味です。
例えば、ブレストセッションでアイデアを出す際にキーワードを生成することができますので、アイデアフラッシュも効率化されること受け合いです。
LINEの返信
LINEの返信を簡単に行うことができます。例えば、忙しい時にも、Catchyが返信文を考えてくれます(ただしこれはややジョーク要素が強い機能でもあります)
こんなにあるの!?文章生成系AI戦国ノ図
最近、AIによる文章生成が注目されています。
日本語の文章生成においても、様々なツールが開発されています。以下にいくつかのツールを紹介します。
【OpenAI】ChatGPT(Gpt-3.5)
ChatGPTは、OpenAIが出した対話型AIです。
文章制作からコーディングまで幅広く対応しており、その汎用性に定評があります。
【OpenAI】Gpt-3
ChatGPTの源流にして、すべてはこのツールから始まったといって過言ではないGpt-3。こちらも、文章生成に優れたAIです。
基本的にあらゆる文章生成が可能ですが、ChatGPTと比較してファインチューニングが無いことや、各種パラメータの調整が小数点第2位レベルまで可能など、やや上級者向けの仕上がりです。
なお、API連携が可能となっています。
【Bit192】AIのべりすと
AIのべりすとは国産AIの急先鋒的存在で、小説特化のAIです。
日本語の学習量はGpt-3を遥かに凌駕するパラメータ数となっており、この能力だけ見れば日本語AIの最高峰といっても過言ではありません。しかし、記事制作や対話型AIといった機能は薄く、基本的にフィクションの創作向きです。ただし、有料プランではコーパスデータを使った擬似的なファインチューニングも可能です。なお、このAIを使って作られた小説のみを選考対象とした文学賞もあります。
【Microsoft】Prometheus
Prometheusは、Microsoftが2023年に発表した新しいAIで、OpenAIとの協業の結晶でもあります。
Bing AIに搭載されている「Prometheus」は対話型AIであり、Microsoftが出資しているOpenAIによるAI「ChatGPT」をベースに開発されたという、やや複雑な経緯があります。
Prometheusは検索エンジン「Bing」に導入されており「〇〇について教えて」と指示すれば、それに応じた回答を文章で返してくれることで世間を驚かせています。
しかしその一方、まだ新しいAIということで取り分け「文章生成機能」は当たり外れが大きく、出力されたソースコードやバグの指摘が正しいとは限らないというAIあるあるの問題も含んでいます。
【Google】Bard
Bardは、Googleが2023年2月に発表した新しい対話型人工知能(AI)サービスです。
BingChatへの対抗馬として目されており、今後リリースされた段階で利用者の質問に自動応答してくれるようになることが期待されています。
なおBardはGpt-3とは別の「LaMDA」という独自大規模言語モデルをベースにしており、ChatGPTと同様に自然な会話を行い、コードを書いたり作曲したりすることもできると発表されています。
まとめ
今回は「Catchy」という日本語の文章生成AIについて紹介しました。Catchyは、GPT-3をベースに日本語特化のファインチューニングを行ったもので、ビジネスやアカデミックなど、あらゆる用途に適したライティングツールとなっています。
他の日本語対応AIの進化も期待されるなか、まず押さえておいてソンのないツールです。