「菜の花・なばな」なんの花?
春先の公園や河川敷などを一面の黄色に染める菜の花畑。
青空によく映え、桜と共にコントラストを楽しめる場所も多くあります。
でも・・・
”菜の花” って、いったい何の花?
”菜の花” って、食べられるの?
見る花も、食べる花も、みんな ”菜の花”
”菜の花”とは、実は、特定の植物の名前ではなく、アブラナ科アブラナ属すべての花のことなのです。
ですから、普段花を見ることの少ないダイコンやキャベツ、白菜、小松菜、青梗菜なども、
花を咲かせれば、それは”菜の花”になるわけです。
ブロッコリーだって”菜の花”ってことですね。
主に黄色い花を付けますが、大根のように、白や、品種によっては紫色の花を咲かせるものもあります。
十字形に開いた4枚の花弁が特徴で、十時花植物と呼ばれることも。
”菜の花”は大きく3つの種類に分けることができ、
景賞・観賞用のもの、食用で「なばな」とも呼ばれるもの、菜種油用のものがあります。
景賞・観賞用の”菜の花”の品種
河川敷などに一面に咲く景賞用の”菜の花”は、主に「セイヨウカラシナ」と「セイヨウアブラナ」です。
元々食用や菜種油用として日本に導入されたものが野生化しました。
切り花などの鑑賞用として用いられるものには、「黒川寒咲ちりめん」「春雷」「江月」といった品種があります。
「黒川寒咲ちりめん」は葉っぱにちりめんのようなシワがあるのが特徴。
「春雷」は黄色い花に白が混ざる姿がかわいらしいと人気です。
景賞・観賞用の菜の花も、食べられない訳ではありませんが、
茎や葉が柔らかく、苦みを抑えるよう品種改良された食用の”菜の花”に比べると、やはり味は劣るでしょうね。
食用の”菜の花”の品種
食用の”菜の花”は「なばな」などの名前で店頭にならんでいます。
甘みと共に感じるほのかな苦みが特徴で、
「のらぼう菜」や「三重なばな」、
京都のブランド京野菜として出荷されている「花菜」、
栃木県特産の「かき菜(佐野そだち菜)」、
福岡県産の「博多な花おいしい菜」といった品種があります。
鮮やかな紫色の茎が特徴の中国野菜「紅菜苔(こうさいたい)」も
花や若い茎・葉を食べることでは、食用の”菜の花”に分類してもいいかもしれませんね。
菜種油用の”菜の花”
種子から油を搾る菜種油用として栽培されている主な品種は、
「菜々みどり」「キラリボシ」「ななしきぶ」「キザキノナタネ」など。
身体に有害なエルカ酸(エルシン酸)を含まない品種です。