野に咲く草花で春をみつけよう
冬枯れで色の乏しかった土手や公園に、ピンクや黄色の可愛らしいお花が咲き始めると、
「春が来た!」と感じますよね。
普段は見過ごしてしまうような小さな花たちにも、ちゃんと名前があります。
名前を知ると、そのお花が余計に愛おしく思えたりしませんか?
お子さんとお散歩しながら野に咲く草花をみつけたら、名前を教えてあげましょう。
ナズナ(ペンペン草)
春の七草として知られる「ナズナ」は、どこでもよく見かけます。
「ペンペングサ」という名前の方が馴染み深いかもしれませんね。
果実の形が三味線のバチに似ているので、ペンペンと三味線を鳴らす「ペンペン草」というわけです。
次の2つも春の七草にかぞえられる草花ですよ。
ハハコグサ(ゴギョウ)
見た目は黄色い小さな花がつぶつぶになって固まって咲くのが特徴です。
頭花は真ん中にある筒状の両性花と、周りにある糸状の雌花からなります。
ゴギョウ(御形)と呼んだ方が皆さんはお馴染みかも知れません。
変な名前なんて思うかもしれませんが、花言葉や漢字を知ると好きになること間違いなし。
ハハコグサは漢字では「母子草」と書きます。
そう、母と子ですね。
“母子草”の名前の由来は、諸説ありますが、白い綿毛に覆われた茎や葉のうえに、小さな花が集まって咲く姿が、母親を愛おしそうに子供をやさしく抱くように見えることからハハコグサと名付けられたとも言われています。
そのためハハコグサの花言葉には、「いつも想う無償の愛」と言われています。
ハコベ(ハコベラ)
ハコベ(繁縷)のことで、春の七草の一つとされるナデシコ科の二年草の野草で、至る所にあるため小さい花のハコベを見たこともある人も多いのではないでしょうか?
ハコベが一般的ですが「ひよこぐさ」等の可愛い呼び名も存在します。
利用部には若葉、茎、花芽などが使われます。
フラボノイドを含有していて、たんぱく質も多いことが特徴で春の七草の一つで七草粥に入れたり、小鳥の餌としても多く利用されます。
ホトケノザ
「ホトケノザ」も確か春の七草だったような・・・?
実は春の七草に数えられる「ホトケノザ」はキク科の「コオニタビラコ(小鬼田平子)」のことで、タンポポに似た黄色い花をつける全くの別物なんです。
このピンク色の花を咲かせる「ホトケノザ」はシソ科オドリコソウ属。食用ではないので食べないでくださいね。
ただ、花だけを抜き取って吸うと、蜜の甘みを感じることかできますよ。
セイヨウタンポポ
春の大地に張り付くように葉を広げるタンポポ。
在来種のタンポポもいくつかありますが、一般に多く見かけるのは「セイヨウタンポポ」のようです。
花びらの付け根あたりにある「総苞外片」と呼ばれる細い葉っぱのような部分が下に垂れ下がったり、下向きにまるまっていたりするのが西洋種なんだそうです。
オオイヌノフグリ
春の野にコバルトブルーの小さな花を咲かせる「オオイヌノフグリ」。
花言葉は『信頼』『神聖』『清らか』『忠実』で、
「瑠璃唐草」「天人唐草」「星の瞳」といった別名があります。
そんな可憐で清らかなイメージの「オオイヌノフグリ」ですが、
名前の由来について聞かれると、ちょっと説明に躊躇してしまうかも。
イヌノは犬、フグリは陰嚢(いんのう)という意味です。
イヌノフグリの実の形が、犬の陰嚢に似ているので、「日本の植物学の父」と言われる植物学者の牧野富太郎さんが名づけました。
そのイヌノフグリによく似て、大きいから「オオイヌノフグリ」。
でも、変にタブー視するもの良くありませんから、お子さんにもちゃんと教えてあげましょう。
オスの犬や猫を飼っているご家庭なら、説明もしやすそうですね。
ヘビイチゴ
普段私たちが食べている「いちご」と同じバラ科の植物です。
赤くて丸い実をつけ、一見美味しそうに見えますが、
口に入れると水っぽいだけで甘くなく、ちっとも美味しくないので食べないことをおススメします。
ハルジオン
アイドルグループやロックバンドの曲でも知られる「ハルジオン(春紫菀)」は
白や薄ピンク色の花をさかせ、草丈も高いことから道端でも良く目立ちますよね。
よく似た花の「ヒメジョオン(姫女菀)」と比較されることが多いですが、
春、先に咲き始めるのは「ハルジオン」の方です。
分かりやすい所で言えば、以下のような違いがあります。
<ハルジオン>
・開花時期が4月~5月
・花びらが細くて数が多い
・茎の中が空洞
<ヒメジョオン>
・開花時期が5月~8月
・花びらが太くて数が少ない
・茎の中に白い綿のようなものが詰まっている
他にも、「ヒメオドリコソウ」や「ノジスミレ」「キツネノボタン」など、
よく見ると様々な花が咲いています。
春にはちょっと目線を下げて、野に咲く草花を観察してみましょう。